2017年夏の旅行は、モスクワにWeekdayに1〜2日、1週間あけて再びWeekdayに1日という用事をこなしたく、その制約を踏まえてプランニングしました。
携行品があるかもしれないので念のためモスクワまでは直行便、お値段もお手頃なアエロフロートにすることに。アエロフロートは当時ヨーロッパ往復便(モスクワで往路復路ともストップオーバー可、オープンジョー可)で大体どの就航都市を選択してもビジネスクラス1名あたり20万円強と比較的リーズナブル、合間の1週間をヨーロッパのどこかで過ごすことにします。せっかく世界遺産の勉強をしたのでその中で特に行ってみたいと思ったヴィエリチカ岩塩坑を中心に周辺でプランニングすることにしました。
ヴィエリチカ岩塩坑 (Wieliczka Saltmine)
「ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群」として世界遺産に登録されています。今でこそ塩など珍しくもないですが昔は大変貴重でした。ちなみにオーストリアのザルツブルグ(ザルツは塩)なども塩が取れたことが町の発展のきっかけで何気に塩を起点としている町は多いです。そんな岩塩坑の中でも、このヴィエリチカは世界最大規模、坑道の総延長は約300km!(東京から名古屋手前位)、最深部は300m!(70階建のビル、関東だと横浜ランドマークタワー、関西だとあべのハルカスと同じだけの深さ)。坑道内は崩落の危険もあるのでツアーでしか入れません、また観光で入れるところは限定されてます、とはいえツアーでも100mを階段で下り、坑道内を3km程度は歩きますので体力に自信の無い方は無理しないよう警告があります。
地下には坑夫が安全を祈るために作られた岩塩削り出しの教会、そこにあるシャンデリアも塩の結晶で作られるといったこだわりようで見所満載です。商業採掘を中止したのは1996年ということで20年前までは現役だったという現代への繋がりもユニークです。とりあえずここに行くことは決定し旅程を組み立てることとします。
ヴィエリチカ近郊の候補
合わせて周辺の世界遺産、世界遺産でなくても面白そうな場所を組み合わせてプラン検討しました。
ワルシャワ(ポーランド)
一度戦争で全て破壊されたものの、戦後写真などを元にヒビの一つまで復元した(それはちょっと大袈裟じゃないの? (¬_¬))と言われる稀有な経緯が評価され「ワルシャワ歴史地区」として世界遺産に登録されています。その復元された街並みも既に100年ほどの歴史となり、スクラップ&ビルドを繰り返す日本の多くの街並みよりは歴史があります。
クラクフ(ポーランド)
ヴィエリチカから10km強のクラクフ旧市街も「クラクフ歴史地区」として世界遺産に登録されています。ポーランドにおけるかつての都(日本でいうと京都の位置付け)で「ヴィエリチカ岩塩坑」とともに世界遺産登録の第1号です。ヴァヴェル城や、ヨーロッパ最大と言われる200m × 200mの中央広場、広場隣接の聖マリア教会などが構成要素となっています。
アウシェビッツ(ポーランド)
「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」として世界遺産に登録されています。ユダヤ人を強制収容したこの有名な施設は、ナチスドイツということでドイツかと思いきや実はポーランドにあります。こちらもクラクフから向かうのが一般的です。※ スケジュールの都合上今回はパスとなりました。
ウィーン(オーストリア)
かつてハプスブルグ家の本拠地で豪華絢爛な建物が残っており、当然旧市街は世界遺産に登録されています。ヨーロッパの中では一番とも言える治安の良さ、音楽、カフェ文化なども魅力的で私たちのお気に入りの都市の一つです。2010年、2015年と過去2回訪れています(そして2019年にまた行きます)。食文化としても、ターフェルシュピッツ、ウィーナーシュニッツェル、ザッハートルテなどお気に入りで、常々機会があれば食したいと思っています。物価が高いのが難点ですが・・・
ブルノ(チェコ)
2015年にプラハからウィーンにRailJetで向かった際に通った町です。丘の上に雰囲気のある教会が建っており機会があれば訪れてみたいと思っていた都市の一つです。
郊外にあるブルノ・サーキットではMoto GPなど知名度のあるレースが行われていますのでそれで知っている方もいるかもしれません。また、世界遺産の観点からは、ミース・ファン・デル・ローエの設計した住宅が「ブルノのトゥーゲントハット邸」として世界遺産に登録されていますが、これも今回は時間の都合上パスしました。
ブラチスラバ(スロバキア)
以前は隣国のチェコとスロバキアはチェコ=スロバキアとして一つの国でしたが、1992年に連邦制を解消、それぞれ独立国となりました。チェコはそれなりに名が通っていますが、スロバキアはあまり知名度がありません、旧ユーゴスラビアのスロべニアとも混同されがちです。連邦だった当時はプラハが首都(現チェコ共和国の首都)でしたので、スロバキアの首都ブラチスラバもほとんど知られていません。ブラチスラバは、ウィーンから70kmしか離れておらず、スロバキアはシェンゲン協定に参加していますので国境での入出国手続きなども不要で容易に行き来出来る都市です。
モスクワの世界遺産
往路、復路で2度立ち寄るモスクワにももちろん世界遺産があります。モスクワは2012年、2014年と過去2回訪れていますが、それぞれ2泊づつでまだまだ行き尽くした感じではありません、旧共産圏は何と言っても西側とは違った思考で作られた街並み、文化が魅力的で、一方で経済効率優先で歩行者に厳しい道路設計、ロシア語オンリーの表記など観光にはシビアな側面があり異国情緒感がハンパないです。
赤の広場
クレムリンに隣接した有名な広場で「モスクワのクレムリンと赤の広場」として世界遺産に登録されています。ソ連時代から国家的イベント、大規模イベントの会場として使われており、何気にイベントで入れなかったりする広場です。私たちも最初訪れた2012年は音楽祭が行われており、この広場にも、広場に立地しているワシリー寺院にも入れませんでした。2度目は入れましたが異常気象でかんかん照りの猛暑で雰囲気なし、やはりモスクワはどんより曇った天気でないと、、、さて今回はいかに。。。
ノヴォデヴィチ修道院
「ノヴォデヴィチ修道院の建造物群」として世界遺産に登録されています。モスクワの中でも有数の観光地なのですが、過去2回の訪問時には訪れていませんでした。ロシア正教の修道院で、モスクワ川の湾曲部における要塞(クレムリ)の役割も果たしていた経緯があります。隣接している湖は、チャイコフスキーの白鳥の湖の構想の元になったと言われています。また修道院の墓地には、エリツィンやチェーホフなど有名人のお墓があり、墓石が個性的で人気の観光地になっています。
黄金の輪、ほか
モスクワ近郊には他にコローメンスコエ、黄金の輪などもありますが、そこまでの時間はなくまた別の機会に。。。
都市間移動
ワルシャワ、クラクフ間は、旧東ヨーロッパ圏で唯一高速鉄道が通っており3時間程度で移動できますが、それ以外はなかなか時間がかかります。これが今まで東欧を攻めきれていない理由の一つです。
クラクフからワルシャワ以外の近隣都市(ベルリン、プラハ、ウイーン、ブラチスラバ、ブダペスト)への移動は、鉄道で直接行こうとするとどこも8時間以上。バス路線だともうちょっと充実していますが時間的には同程度です。そこで目を付けたのがブルノでした。8時間座りっぱなしはちょっと辛そうですが、ブルノであれば4時間50分で着きます。ブルノからはRailJetという200km/hクラスの高速鉄道でプラハに3時間、ウィーンに1.5時間程度でアクセスできます。それがブルノを中継地にした理由の1つです。
プラン最終形
先の候補地と移動手段を考え、結局、モスクワの間の1週間は、ワルシャワIN → クラクフ&ヴィエリチカ → ブルノ → ウィーン(場合によってブラチスラバ日帰り)OUTという行程にしました。クラクフからはプラハ、ドレスデン、ベルリン方面に抜ける手も魅力的でしたが、やっぱりお気に入りのウィーンで、、、訪れる世界遺産は以下の通りで、先のアウチェビッツ、ブルノのミース・ファン・デル・ローエの近代建築は、スケジュールの都合上パスすることにしました。
- モスクワ(2泊)
【世界遺産】ノヴォデヴィチ修道院の建造物群 - ワルシャワ(2泊)
【世界遺産】ワルシャワ歴史地区 - クラクフ(2泊)
【世界遺産】クラクフ歴史地区
【世界遺産】ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群 - ブルノ(半日)
- ウィーン(2泊)
【世界遺産】ウィーン歴史地区(再訪) - (ブラチスラバ旧市街:ウィーンから日帰り、旅行の疲労度など勘案して判断)
- モスクワ(1泊)
【世界遺産】モスクワのクレムリンと赤の広場(再訪)
今回は、世界遺産巡りということでプランニングしましたが、一部は削ったもののそれでも盛りだくさん、都市としてはそれぞれ2泊づつで移動する形ですが、同じ2泊でも特にクラクフは、午後着の翌々日早朝発で時間がない。
後半はどれだけ疲れているか分かりませんので、ブラチスラバは疲労度を勘案して現地で柔軟に判断することとします。
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