クルーガー国立公園 AM Lodge (AMロッジ) : 天体観測 〜天の川と南十字星〜

2019.06 アフリカサファリ&中欧旅
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部屋でのディナーを堪能した後、今日が最後のサファリナイトということで、星空撮影にチャレンジしました。カメラ的には5年前のマイクロフォーサーズのミラーレスでそんなに本格的な機材ではないですが、なかなか満足行く写真が撮れましたのでご紹介します。

撮影の仕方

カメラは光を捉えるのが原理ですので、夜空などそもそも光が強くないものを写真に収めようとすると工夫が必要です。光の量は以下で決まります。この光の量をどれだけ大きくできるかというところが成功のカギになります。

(撮像素子(CCD)のサイズ)×(レンズ絞り)×(ISO感度)×(露出時間)

撮像素子(CCD)サイズ

撮像素子(CCD)サイズは物理的なものですので変えることができません、カメラにより決まってしまいます。フルサイズと呼ばれるものが一番大きく、APC > マイクロフォーサーズ > 1インチ > 1/2.3インチ(標準的なコンパクトデジカメ) > スマホカメラの順で小さくなります。撮像素子が大きなカメラはカメラ自体も大きくなりますので普段の取り回しも大変です。私たちは、その兼ね合いでマイクロフォーサーズのミラーレスと1/2.3インチのコンパクトデジカメを併用していますが、少しでも多くの光を集める必要がある撮影ではもちろんマイクロフォーサーズの機材を使います。

レンズ(絞り)

カメラのレンズは、一枚のレンズで出来ているわけではなく、5枚〜10枚くらいのレンズが組み合わせられて構成されています。そして開口部(絞り)を調整することで光の取り込み量を調整します。絞る(開口部を小さくする)と、焦点が合う距離が大きくなる(被写界深度が深い)一方で光の取り込み量が減り暗くなる、解放する(開口部を大きくする)と焦点が合う距離が小さくなる(被写界深度が浅い)一方明るく撮れます。これは、Fx.xみたいな表示(ズームの場合は、Fx.x-x.xみたいな表示の場合もあり)で分かります。数字が小さい方が光の取り込み量が大きくなります。ミラーレスやフルサイズではレンズ交換が可能なカメラが多く、今回の撮影では、持っている中では一番明るいF1.7まで解放出来るレンズを使います。

ISO感度

これはCCDに届いた光の情報に対してどの程度の感度とするかの設定になります。感度を上げると少量の光で明るい写真にでき、数字が大きい方が感度が高くなります。最近のカメラでは、最小100から最大25,600とかまで可能です。が、数字を大きくするとノイズが乗りやすく粗っぽい画質になります(この辺はカメラにもよるかと思います)。そのため、普段でも3200位までを上限とするように設定しています。このISO感度を上げるのは最後の手段とするのがいいかと思います。

露出時間

これはシャッターを開けている時間でどのカメラでも調整可能なパラメータと思います。ただし、手ブレ、被写体ブレになりますのでその対策が必要になります。手ブレ防止に対しては、三脚等を使ってカメラを固定することで対策できます。一方、被写体ブレはどうしようもなく、星空撮影に対しても、地球の自転で天体は動いていますので、あまり長く開けると被写体ブレになります。大体30秒くらいまででしたらそれほど気にならないかと思います。三脚とカメラの間に「星空雲台」という機械をかませば、電子制御で星空の動きに合わせてカメラを回転させ被写体ブレを完全に打ち消すような機器もありますがプロじゃなければそこまでは不要でしょう。三脚は空港などで売っているおもちゃみたいなのでも全然OKです。

その他工夫事項

暗い星空に対してはピントはあいません。フォーカスは手動フォーカスにしてそこそこ遠方(無限遠ぴったしじゃなくてもある程度遠方20m以上位になっていれば大丈夫です)に設定します。露出時間を長めにする場合、シャッターボタンを押した時に手ブレしがちですので、2秒のタイマーシャッターなどにして撮影するとその手ブレも回避できます。もしくはリモコンなど、最近はスマホ連動でスマホをリモコンにできるカメラも多いです。

あとこれはどうしようもないですが月が出ていると星空は見えにくいので、月が沈んでいる時もしくは新月の時が取りやすいかと思います。今回滞在時はたまたま低緯度で影響を受けませんでした。

撮影結果

↑が肉眼での目安です(テラスの照明は撮影時は当然消します)。テラスの照明の先にもやっと大きな木がありその先の地平線にうっすらと光があります。そちら方向に集落があるのですがその集落の光になります。テラスの照明を消すとほとんど何も見えなくなります。真っ暗で肉眼でも天の川が分かる状態になりますが、その状態で以下の設定で撮影するとこうなります。シャッタースピード優先モード(ユーザーが指定するのは露出時間だけで、残りのパラメータはカメラが勝手に調整するモード)で、露出時間を30秒に設定。30秒開けて光を集めますので、集落の光もここまで明るく写ります。集落の光から離れたところでは星が綺麗に写ります。

撮影条件 : 焦点距離15mm、露出時間30s(f/2.5)、ISO感度200、露出補正+2.0EV

同じ条件でより高い方向を撮ったものが ↓ です。天の川が綺麗に写りました。ちょっと出来過ぎで目視より綺麗なくらいですが、これだけの星から光が届いているのは事実です。天の川に沿って左上のところにあるのが南十字星です。トップが赤、他3つの星が青白く見えます。左下の白〜オレンジっぽいモヤモヤのは、雲が先ほどの集落の光を反射したものです。30秒開けていますので動いてもやっとしています。星も実際には流れていますが、30秒程度であればそれほど気になりません。

撮影条件 : 焦点距離15mm、露出時間30s(f/2.5)、ISO感度200、露出補正+2.4EV

上の写真はISO感度は自動で調整される設定ですが200ということでほぼ最低(ノイズが少ないいい方向)、F値も自動調整ですが、レンズのポテンシャルである1.7まで達しておらず2.5に抑えられています。これはカメラが、30秒開けると光の量が十分過多なので多少絞って取り込み量を調整しようとしているということです。

ということで、まだ多少余裕があるので露出時間を15秒に減らしてみました。被写体ブレが少ないのでよりくっきりしている印象です。大変満足な結果です(写真はトリミングしています)。

撮影条件 : 焦点距離15mm、ISO感度200、露出時間15s(f/1.8)、露出補正+2.5EV

まとめ

実は初日夜もチャンレンジしたのですが、その時はレンズがサファリで使っていたそんなに明るくないズームレンズだったのとフォーカスの設定が甘くうまく撮れていませんでした。3日目夜に再チャンレンジしてなんとか撮ることができました。星空は、機材の性能がものを言いがちですが、5年前のマイクロフォーサーズデジカメ(の中で最小、最軽量だったパナソニックのDMC-GM1をいまだに活用しています)でもここまでキレイに撮れました。南十字星も見られて、そして写真に収められ満足できました。

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