2度目のローマ1日観光【前編】〜全ての道はローマに通ず : アッピア街道〜

2015.08 中欧4カ国陸路1400km+の旅
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ローマは2回目の訪問です。コロッセオ、フォロ・ロマーノといった古代ローマ時代の遺跡、そしてローマ・カトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂、バチカン博物館、ほかにもナヴォーナ広場、トレビの泉、スペイン階段、ポポロ教会、などしっかり観光したつもりでした。しかしながら、さすがにローマ、まだまだいろいろと取りこぼしたところ、周辺にもまだまだ見所がいっぱいということで、それらをキャッチアップすることにしました。

で、2回目のローマ訪問、取りこぼし&新たな開拓としては、

  • まずはローマ中心部のパンテオン。何度も前を通ったにも関わらず、また通るだろうと後回しにして結局入らずじまいでした。
  • そして遺跡としては中心部からちょっと離れたカラカラ浴場。
  • そこから南側に伸びるアッピア街道沿いに面白いスポットがあるということでその辺りを新規に訪れることで計画しました。

また、ローマ再訪するのあれば、サン・ピエトロ大聖堂、ベルニーニの彫刻が素晴らしいナヴォーナ広場は再び訪れたいとその辺りをカバーする形でプランニングをしました。

午前中(前半)は、ローマ南部の見所をぐるっと回ります。

ローマ地下鉄

まずは、地下鉄でアッピア街道の起点に近いカラカラ浴場に。

ローマはイタリアの首都であるにも関わらず公共交通機関はあまり発達していません。初開通から半世紀以上経過しているにも関わらず建設中も含めて3路線しかありません。後から開発されているミラノの4路線に負けています。というのは、ローマは遺跡が埋まっているので、地下鉄の工事を行うと遺跡にぶつかり工事がストップしちゃうということです。

FCO空港からレオナルドエクスプレスで朝10時すぎにローマテルミニに到着。地下鉄でのアクセスできるスポットは限られますが、カラカラ浴場は地下鉄で向かえます。前回の訪問の際はかなりピリつき感を感じましたが、今回はそれほどでもなかったですね。これは平和になったのかただ慣れただけなのか、、、テルミニのローマ地下鉄2号線のホームも味わいを感じます。

アッピア街道沿い観光

有名な諺「すべての道はローマに通ず」の時代のローマ随一の通りがアッピア街道になります。日本の江戸時代の東海道みたいなものですかね。紀元前312年という古さですので時代は全然違い、その時代にすでに道路が整備され物流が考えられていたというのはすごいですね。

フォロ・ロマーノを起点に南東(長靴のカカトの方)に伸びる街道ですが、1.5ローママイル(2.5km)くらいの間に何箇所か見所がありますのでそちらを見て回りたいと思います。

カラカラ浴場(約0.2マイル地点)

まずはテルミニから地下鉄で2駅、「チルコ・マッシモ駅」から800mほどアッピア(新)街道を歩いてスパ施設(の遺跡)に到着です。もともと私たちは普段もシャワー派ということで?あまりスパには興味がなく、ブダペストも温泉で有名ですが温泉には訪れていません。この施設は、風呂だけでなく、図書館や劇場なども併設されていた今で言うスーパー銭湯とも言える場所で訪れてみました。といっても、結構劣化が激しくあまりどこがなんだったのかはよくわかりません。ただ、大江戸温泉もびっくりの規模です、残っている壁の高さを見ても高さ20mはありますね。

こちらの元スパ施設はアッピア街道沿いでイタリア南部からローマに到着した旅人はローマ中心部のフォロ・ロマーノに入る前にここで旅の疲れを癒したのでしょうか?今現在は、入場料として8ユーロですが、当時は無料だったということです。

一部、当時の装飾のあとが残っている部分があります。レリーフが非常に繊細ですね、大半が崩れちゃってますので当時のイメージを想像するのが難しいですが・・・

ストーンヘンジ的な崩れた柱が円形に転がっているような場所もあります、敷地もかなり広いです。そして、この背の高く上部だけに高密度に葉が茂る木がローマを感じます。

マイルストーン(1マイル地点)

マイルストーンという言葉は、何かしらプロジェクト制で共同作業をする仕事をされている方はキーワードとして聞いたことがある方も多いかと思います。プロジェクトを進める上で、全体の工程の中での今現在の進捗を判断する上での中間的な目標として「マイルストーン」というのを設定・進捗の基準とすることがあります。その由来は、このアッピア街道に1マイル(ローマ・マイル、1,000歩)ごとに等間隔に置かれた標識からきています。そしてそのアッピア街道の第1マイルストーンの実物が今でも残っています。

へー、ということで、バスでせっかく通るので見てみたいけど、ちょっとあえて下車してみるほどのものでもないということで、カラカラ浴場前からアッピア街道を進むバスの中から写真に収めようとしたのですが、、、

残念、左に見切れている部分(実物は円筒形)がそれなのですがタイミングがずれてしまいました。上に見切れているのはその説明になります。

まあいいや。で、どこを目的としてアッピア街道を進んでいるかと言いますと・・・

ドミネ・クォ・ヴァディス教会(1.5マイル地点)

です。ローマ布教に際し、皇帝ネロによる弾圧で追われる身となった聖ペトロ(サン・ピエトロ:サン・ピエトロ大聖堂はこのペトロに由来します)が、アッピア街道の途中でイエスに出会い、「主よ、どこへ行かれるのですか( Domine, quo vadis?)」と尋ね、十字架を担いでいたイエスが「エオ・ロマム・イテルム・クルキフィギ」(”Eo Romam iterum crucifigi”:ローマへ再び十字架に架かりにゆく)と答えたということ逸話のある場所で、ローマの歴史と、キリスト教会の歴史にとって特別な重要性を持つ場所とされています。

その場所に建てられたのがこの「ドミネ・クォ・ヴァディス教会」ということで、教会の中にはその時のキリストの足跡が残っているということです、信じるか信じないかはあなた次第です!

悪魔の足跡も見ている私たちにとっては、是非拝観したいと思っていたのですが、、、残念ながら閉まっていました・・・うーん、ちゃんと調べてから行こうよ(→ 私)

しょうがないので外観だけ。それほど大きい教会ではなく、周りに人も全然いないというところで、こじんまりとした雰囲気でなかなか良さそうだったのですが残念です。

そしてこの辺の街道は石畳でそんなに広いわけでもなく多少昔の名残が残っている感じです。今現在は、自動車が通りますのでタイヤのラバーが写り結構黒っぽくなっていますが、昔はキリスト、ペトロ(この辺に住んでいたらしい)、そしてその後の時代では馬車などが通っていたのでしょうね。

ここを歩いて「ローマに通ず」を実践するというのもありですが、時間の都合もあり、その後も散策を計画していますので、体力温存のために現代の移動手段(バス)に乗って再びローマに戻ります。

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂

アッピア街道から戻ってきたのがベネチア広場です。ベネチア広場は地下鉄があまり発展していないローマの中でバスターミナル的な位置付けになっています。

そしてその前にあるのがこの立派な建造物、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂になります。1911年に完成ということで、紀元前に作られた建造物がゴロゴロしているローマの中では最先端の建築物になります。幅135m、高さ70mということで圧倒的な存在感、テラスからの眺めがなかなかいいということで入場してみます。

イタリア王国を成立させたヴィットーリオ・エマヌエーレ2世(1820年3月14日 – 1878年1月9日)を讃えて作られてたということですが、イタリアという国が作られたのは意外と最近なんですね。ここは身元不明の自国兵士を埋葬する無名戦士の墓も兼ねられており、守衛さんに守られています。

館内にはイタリア統一戦争にまつわるものが展示などされていますが、あまりキャッチーなものはなくテラスまでやってきました。この日の最高気温は35度、非常に暑いです。

フォロ・ロマーノ越しにコロッセオまで見渡せます。カラカラ広場にもあったこのローマの木が邪魔なのでフォロ・ロマーノ自体はもうちょっと低い位置からの方が見やすいですね。

紀元前6世紀にこんな立派な建造物を作っていたというのは驚きです。

そんな発展していたローマですが、人間の世界はゲームチェンジにより勢力図が大きく変わります。今の行政、経済の基準でみると、イタリアは、南北の産業、貧富の格差も埋まらず、今後国を支えることになる若年層の失業率が29%と高く、財政赤字がユーロ基準を下回っていることに対して10%の地下経済(マフィア、売春、麻薬)を公式なGDPに加算するという結構ぶっ飛んだ対応をとりつつあり、今後も危ぶまれます。経済が後退しつつある日本も明日は我が身ですね。

5年ぶりのローマで古代に想いを馳せ、これにて一旦午前の部はおしまい、ランチで一旦リフレッシュすることとします。

まとめ

2度目のローマ、まずは、有名な諺、キーワードの元になったアッピア街道のスポットを巡りました。当時の健康ランドは結構劣化が激しく当時の面影をイメージするのはなかなか難しいですが、規模は驚きのサイズでした。マイルストーンは、目視では確認できましたが、写真に収めることは叶いませんでした。聖人ペトロとキリストが立ち話をして、その時のキリストの足跡が残っているという場所は教会自体には入れませんでしたが、旧道の雰囲気を感じることができました。ローマのど真ん中の観光スポットではないですが、意外と面白いバックグラウンドを持つスポットだったと思います。

イタリア国王の記念堂は、かなりの規模でそこから望むフォロ・ロマーノ、コロッセオは再びローマに来たことを実感できました。

前回訪れた時もそうでしたが、やはり夏の南ヨーロッパは暑いですね。今回も天気は快晴、最高気温35度ということでいやー辛かった・・・1週間前にミュンヘンで長袖を着ても寒かった気候が懐かしいです。

ランチ休憩で後半に備えてスタミナ回復を目指します。

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