シェレメチェボという聴き慣れない名前ですが、モスクワの3つの空港のうちの1つです。ちなみにあと2つは、ドモジェドヴォと、ヴヌコヴォといづれも覚えにくい名前です。このシェレメチェボは、ロシア随一の航空会社であるアエロフロート&アエロフロートの加盟するスカイチームの本拠地となっています。スカイチームではありませんが、JALは今後アエロフロートとの共同運行を進めるということで、今後予定されている羽田便はこのシェレメチェボを使う予定になっています。
ちなみにANAの羽田便はドモジェドヴォを使う予定です。
ターミナル構成
空港としては、ターミナルA〜Fまであります。Aは完全孤立、B、Cが滑走路北側に、D、E、Fが滑走路南側に集まっています。市内からの空港アクセス線アエロエクスプレスは、南側のD、E、Fのところに到着します。
多くの方が利用するのはターミナルD〜Fになります。D、E、Fはランドサイド、エアサイドそれぞれで接続しています。ターミナル間は自由に行き来でき、それぞれのターミナルにはお店もたくさんありますので楽しんでください。
(2020年7月現在はコロナの影響でF以外はクローズしているようです。)
D、E、Fの各ターミナルにはそれぞれ荷物預かり(Luggage Storage)があります。トランジットで1、2日滞在し、鉄道で市内アクセスする場合など、荷物をコロコロするのは結構大変ですので、滞在に必要な分だけボストンバッグ、小型のスーツケースなどに小分けして大きなトランクは空港に預けておくのが便利です。
到着、出発でターミナルが異なる場合は、駅ビルにある荷物預かりを使うのが良いかと思います。
ターミナルD
最近のメインの国際線ターミナルがこのターミナルDになります。ターミナルのデザインは、白鳥が翼を広げたイメージということです。頭が上かな・・・
ランドサイド
ターミナルDにはSkypriorityの優先レーンがあります。カウンターでチケットを発券、荷物を預入した後は、ターミナル中央の手荷物検査 → 出国審査になりますが、向かって左寄りに優先レーンがありますので、資格保有の方は活用ください。
荷物預かり
地下1階にありエレベーターでしかアクセスできません。預入の手前でX線の機械に通す必要があります。赤いTシャツを着て仁王立ちしている人の左側にグレーの鉄の扉がありますが、預入れ、引き取りともそこの小窓を通してやりとりします。料金は後払いです。
荷物預かりに通じるエレベーターは、到着階からは目につきやすく比較的分かりやすいですが、出発階からが非常に分かりづらいです。構造が変で、ヒポポタマス(カバ)というカフェの敷地内にあります。ひるまずにヒポポタマスに突撃してください。正面から人がたくさん出てきていますが、これはエレベーターから降りてきた人たちです。
エアサイド
非常に近代的で窓も大きく照明も明るく他の国のターミナルに比べて遜色ありません。座るところもそれなりに充実していますので快適に過ごせるかと思います。
待ってる間にアリョンカちゃんの視線を感じることがあるかもしれませんが・・・
この恐可愛いいパッケージのチョコレートは私たちのロシア土産の定番になっています。こんな細工をしているということはさぞかし印象に残ったのでしょう。アリョンカちゃんが醸し出す独特の雰囲気の受け止め方は万国共通のようです。
ラウンジ - BLUES
Aeroflot(=スカイチーム)のビジネスクラスラウンジは、リノベーションされてより快適になっているようです。
名前の付け方も今までは、BLUES、CLASSICなど音楽のジャンルから付けられていましたが、リノベーションされてからは、モスクワ、サンクトペテルブルグ、ソチなどロシアの地名になり、薄暗い雰囲気も窓もができ明るくなったようです。このBLUES↓は「モスクワラウンジ」になっています。
食事類は変わってない可能性が高いかと思います。
バリエーション豊富で、ウエスタンに加え、タイカレー、チャーハンなどのアジア系もありました。「鳥のミルク」というロシア特有のデザートもあります。試してみてください。
ターミナルE
このターミナルは、ターミナルD、Fの間に双方をつなぐ形でつくられています。
ランドサイド
アエロエクスプレスの駅ビルとターミナルF間を行き来する際はここを通ることになります。ターミナルEから出国したことはないのでCIQは不明です。設備もD、Fに比べて小規模と思われますがチェックインカウンターも少ないですのでそれほど混雑してない可能性もあります。
エアサイド
上の地図でオレンジが物販、緑が飲食店、紫がラウンジ等サービスの店舗になります。ゲート38あたりのスペースはこんな感じです。
日本ではANA FESTAではテンポが違っても取扱商品がほとんど同じだったりしますが、モスクワはお店により仕入れが異なるようで楽しめます。ゲート35付近のお土産物屋さんは、お手軽な価格帯の小物系が充実していました。
ターミナルF
アルファベット的には一番後ろですがこのターミナルが一番古いです、そして暗いです。
天井も床もグレーで、車がおいてありますが駐車場なわけではありません。れっきとしたターミナルFのランドサイドです。飲食店は、ロシアでよく見るバーガーキング、フライデーズなどです。
ここはアエロフロート以外の航空会社が主に使っており、チェックインの動線なども古く、プレミアムクラス用のファーストトラックがない点などもちょっといけてないです。
エアサイド
チェックアウト後のスペースも他のターミナルに比べて開口が少なく薄暗い感じです。これがシェレメチェボが辛気臭いと言われる所以でしょうね。
ここの良い点はこれ。生搾りオレンジジュースです。小銭の整理にちょうど良いのと非常においしいので見かけた際は試してみてもいいかもです。
アエロエクスプレスターミナル
名前の通り、町中行きのアエロエクスプレスの駅ビルになります。街中へのアクセスは、タクシーを使うと時間もお金もかかるのでこの電車でのアクセスをオススメします。
3つのターミナルとアエロエクスプレスの利用者が通りますので結構混雑しています。ここも飲食店、ドラッグストアなどに加え、毛皮のお店などロシアっぽいお店も並んでいます。
荷物預かり・コインロッカー
地図の中央左エスカレーターを1フロア降りると荷物預かりがあります。鉄道アクセスの場合は、どのターミナルからもここを通ることになるので、到着、出発が異なるターミナルの場合は、ここで預けると導線がスムーズです。
コインロッカーも配置されていますが2017年当時は使えませんでした。コールボタンがあり、それを押すと係の人が来て対面のこちらに誘導されます。
これが引換券です、なくさないようにしましょう。
お店
「メガフォン」という現地キャリアでSIMカードを買いました。300RUB(600円)で12GBの通信と500分の通話がついてきたようです。安いですね。
ただ、これからはこれが使えますのでもう買わないと思いますが・・・
自動販売機
面白いのが自動販売機です。まずこれは宇宙食、ロシア語のみの表記でしたので詳細不明ですが、RUB300(600円)とRUB400(800円)の2種類ありました。買ってはいません。
その近くにはキャビアの自販機。
写真から読み取れる範囲でRUB1,100(2,200円)〜RUB11,500(23,000円)と価格レンジも幅広いですが、最低ラインはかなりリーズナブルな印象を受けますね。悩みましたがイマイチ良し悪しが判断つかないのでこちらもパスとなりました。
ホテル - ラディソンブル
4つあるエアポートホテルのうちラディソンブルホテルはこの駅ビルから直接つながっており便利です。残り3つはシャトルバスでのアクセスになります。もし1泊ストップオーバーとかの際は、ここを本拠地とするのも便利かもですね。
もし、トランジットついでにストップオーバー(入国)する場合は、VISAが必要になりますのでご注意ください。VISAの取得は結構手間ですが、西側とは違った異国情緒で可能であれば是非オススメします。
乗り継ぎ(トランジット)
アエロフロートにはかなりの日本人が搭乗しますがほとんどの方がトランジットかと思います。シェレメチェボに移動したJALもアエロフロートとのコードシェアを狙っての移動のようで、トランジット客をターゲットにしているのかと思います。
ターミナルはエアサイドでD ⇄ E ⇄ Fという形でつながっており、セキュリティチェック等も不要で行き来できますのでモスクワでの発着ターミナルが異なる場合でもめんどくさいことはありません、もちろんF発着だけど、Dのラウンジに行くということも可能です、一つの大きなターミナルと捉えればいいです。各ターミナルかなりの数のお店があり、ロシア特有のマトリョーシュカのお店などもありますので異国情緒を楽しめるかと思います。
事例:ターミナルF着 → ターミナルE発
到着便 | 中国東方航空 | MU591便 | 11:15 上海発 → 18:00 モスクワ着 |
乗り継ぎ便 | バルティックエア | BT423便 | 21:15 モスクワ発 →22:00リガ着 |
この2つのチケットは別で購入していました。乗り継ぎに3時間15分もあるから余裕だろうと思っていましたが、一応、双方の航空会社に乗り継ぎ便がある旨は伝えていました。これが大正解、上海出発が大幅遅延、トランジット時間が短くなりましたがスムーズに手続きが行えなんとか乗り継げました。
この時の乗り継ぎは、通しのItineraryで取っていないため、乗り継ぎ便は上海で発券できず、モスクワで発券する必要がありました。ただ、荷物は上海で最終目的地のリガまでスルーでチェックインしてもらっていました。
乗り継ぎの流れ
- ターミナルF:飛行機を降りたところで、乗り継ぎ客は呼び出され、手書きの紙(↓)を渡され、私たちはPassangers Transit Areaなるところに行けと言われる
- ターミナルF:トランジットエリアのカウンターでおばちゃんに紙を渡すと、あー間に合ったのねみたいなことを言われて付いてきてと言われる。
- ターミナルF:ベンチのあるところで待っててと言われて、おばちゃんは私たちのパスポートを持って従業員用の扉の奥に消える
- おばちゃんがチケットを持って現れる
エアバルティックは、もう私たちは間に合わないものと思っていたのか、モスクワで発券した際にはエコノミーは満席、ビジネスクラスにアップグレードになったのはラッキーでした - ターミナルF:パスポートチェック、セキュリティチェックを受けエアサイドに
- ターミナルF:ターミナルF → Eに移動。フリータイム
- 時間になったらゲートに向かう、搭乗
この乗り継ぎに失敗していたら、バルティックは取り直し、リガのホテルも調整が必要で面倒なことになるところでした。間に合ってよかった・・・
誘導してくれるなんて親切じゃないか、シェレメチェボ
事例:ターミナルF着 → ターミナルD発
到着便 | アエロフロート | SU2561便 | 12:30 ブリュッセル発 → 17:45 モスクワ着 |
乗り継ぎ便 | アエロフロート | SU250便 | 21:35 モスクワ発 → 11:10 +1 ソウル着 |
この2つのフライトは同一の旅程で、ブリュッセルのチェックイン時に、乗り継ぎ便のチケットも発券でき、預入荷物もスルーチェックインできていました。
日本からアエロフロートでヨーロッパに行く場合もこの形で乗り継ぎ便のチケットも発券でき、荷物もスルーかと思います。このケースは非常に楽です。
乗り継ぎの流れ
- ターミナルF トランジットエリアにて、パスポートチェック、セキュリティチェックを受ける
- ターミナルF エアサイドに
- ターミナルF → E → Dに移動。時間になったらゲートに向かう、搭乗
これだけです。多くの方はこのケースでしょうね。到着ターミナルが異なる場合でも流れは同様、到着したターミナルでパスポートチェック、セキュリティチェックを行いエアサイドに、そこから出発ゲートのあるターミナルに移動する形です。
ターミナル間の移動
ターミナルD - E間の通路(エアサイド)はこんな感じです。ランドサイドの連絡通路は大きな荷物を持っている人が多いことを考慮して動く歩道もあります。
まとめ
シェレメチェボ空港で、ターミナルはA〜Fの6つありますが、日本人が多く使うのは、D、E、Fの3つです。それらはランドサイドでもエアサイドでもつながっており自由に行き来できますので、一つの大きなターミナルと考えていいです。
ターミナルとしてはD、Eは明るく綺麗、Fは若干薄暗く動線もあまり良くありません。多くの方が使うアエロフロートの日本便はD中心と思いますので、Fになった際は運が悪かったと思ってください。
お店は、レストランもショッピングも充実しています。ラウンジもD、Eは最近リノベーションされてより快適になったようです。
モスクワはストップオーバーするにはVISAが必要で手続きは多少面倒ですが、赤の広場、クレムリン、スターリン様式の建物など西側諸国とはかなり異なる文化が魅力です。機会があればぜひ入国してみてください!
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