ロシア観光ビザの取り方 〜ビザサポート&空バウチャー〜

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本記事は2017年当時の情報であり、2022年の戦争以降は方式が異なっている可能性があります。再び正常化し、訪露可能な状態になりましたら再度最新情報にアップデートしたいと思います。

おとぎの国に行くのにはビザが必要です(ウラジオストックは除く)。その必要書類が一般的でなく難易度が高いのですが、個人で取得する方法を参考までにいくつか紹介します。

ビザ

ロシアの旅行、特に個人旅行に際して1つ大きな壁となっているのがビザ(VISA)の問題です。ビザといってもクレジットカードの国際ブランドの話ではありません。査証のことです。

査証(さしょう)又はビザ(英: visa、仏: visa、露: Виза、西: visa、中: 签证/簽證)とは、国家が自国民以外に対して、その人物の所持する旅券が有効であり、かつその人物が入国しても差し支えないと示す証書である。


Wikipediaより

日本のパスポートの信用は世界最強で、多くの国からはビザ(査証)免除、普段あまりビザを意識することはないと思います。

旧共産圏であるロシアでは、世界的に信用されている日本であっても依然としてビザを求められます、逆に同じく旧共産圏の中国に対してビザ免除となっているようで、ロシアでは中国人の観光客が目につきます。で、その要求されるビザですが、多くの国では、入場料的にVISA ON ARRIVALでその国の入国時にお金さえ払えば簡単に取得できる国(アフリカ各国)や、インドのように特に難しい書類は不要で申請書に記入してVISAセンターで手続きだけすれば簡単に取れるケースが大半です。ところが、ロシアのビザ取得においては、以下の書類が必要になります。

観光ビザ

  • 旅行者(特に個人旅行者)は、上記の書類のほかに旅行会社が発行する旅行確認書(ファックスコピー可)が必要となります。
    確認書は、ロシア連邦観光省による登録(旅行リファレンス番号)のある受入れ先の情報が記載される書類で(見本-「外国人旅行者受け入れ確認書」)、受入れ先の責任者の署名および社印がなければなりません
  • さらに、旅行会社が発行するバウチャーのコピーを提出していただきます。
    バウチャーには下記の情報がなければなりません

     

    • 旅行者のデータ(氏名、生年月日、パスポート番号);
    • ロシア入国日および出国日;
    • 観光ルート、移動手段、宿泊場所、観光プログラム;
    • 旅行会社の署名と印;
    • 支払済み証明;
    • ロシアの受入れ旅行会社名とその旅行レファレンス番号。
  • シングル、ダブルにかかわらず、複数の会社に観光サービスを依頼している場合、それぞれの会社からの書類が必要となります。

査証申請 – 在日ロシア連邦大使館

これを見たら普通の人は諦めてしまいますね。私たちも最初諦めかけました。

コンファメーション、バウチャーの取り方

この2つの書類の取得の仕方ですが、正規の方法と裏技の2パターンあります。

正規の方法

本当の正規の方法としては一式旅行代理店にカスタムメイドで頼む、、、という方法があります(旅行会社のロシア向けツアーもこのパターン)が、これは相応のコストがかかり非現実的ですので除外します。

それ以外では、ロシア内で単一のホテルに滞在する場合に使える方法ですが、多くの(とくに外資系の)ホテルでは、集客を目的としてVISA Supportという言い方でこのバウチャー、コンファメーションを発行しているケースがあります。私たちは、2012年パリへ向かう際にモスクワでストップオーバー2泊しましたが、その際は滞在先のヒルトンに発行してもらいました。

ヒルトンのWebサイトの左下部分にVISA SupportというPDFのリンク(下キャプチャーの赤枠)があります。こちらを埋めて、フォームに記載のメアドに送れば、モスクワ滞在のバウチャー、コンファメーションがPDFで送られてきます。

こんなのがメールで届きます。

この方法のメリット/デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 多くのホテルで無償で提供している
  • 裏技のようなグレーな方法ではない

デメリット

  • ビザが必要という時点で柔軟性が低いので大した問題にならないかもしれませんが、ヒルトンに関していえば、もしこのサービスを提供した後にヒルトン滞在をキャンセル/ノーショーした場合、1書類あたりRUB 3,600(6,000円程度)のフィーをとるとの記載あり。裏技の方は若干のコストがかかりますがペナルティはないので変更可能性がある場合は予めそちらを選択するのも手です。
  • ホテルが発行する特性上、他の都市との組み合わせ、例えばモスクワとサンクトを2泊づつとか、ダブルエントリ(一定期間内に2回入国するケース。2017年7月のケースは往路、復路で2回入国するのでこちらに該当)には対応できない可能性が高い、もしくは出来ても伝えるのが手間です。

裏技(空バウチャー)を使う方法

えー、こんなの大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、旅行手配なしに(シングルエントリー/ダブルエントリ、入国日&出国日、訪問地、滞在ホテルなど)希望の旅行プランに合わせて、ロシアの登録旅行業者のスタンプ付きでコンファメーションとバウチャーを作ってくれるサービスがあります(通称空バウチャー)。Russia Visa Supportで検索するとゴロゴロ出てきます。結構堂々としてますので、ロシア政府としても厳格に取り締まると自国観光収入を失うことになりますので暗黙の了解なのかもしれません。

どのサービスがいいかは分かりませんが、2017年に訪れた際に私たちが使ったのはここでちゃんと申請は通りました。今回この記事を書くにあたり再びWebサイトを訪れてみましたが未だ健在ですのでそれなりに信用できるかと思います(2020年6月現在)。

Visa to Russia (get Russian travel visa) - russian visa support in russian travel agency
Visa to Russia: If you need Russian visa – we offer You quick and comfortable on-line service. Petersburg trip! Museums ...

ここを選んだ理由ですが、今回初めてダブルエントリでの申請でしたが、その記載方法が分かりやすかったことと、比較的値段が安かったこと(シングルエントリーでRUB 899、ダブルエントリーでRUB 999、1,700円程度)が理由です。ヒルトンのペナルティに比べると捨てても痛くないレベルです。この手のサイトで日本語対応しているところは、、、多分ないと思いますのでここは英語で頑張りましょう。

TravelRussia.suでの空バウチャーオーダー例(ダブルエントリ)

簡単にこのサイトでのオーダーの仕方は以下の通りです。

  1. Webサイト中央左の”TOURIST  INVITATION”の赤いボタンをクリック
  2. 中央の”ORDER AN INVITATION”の緑のボタンをクリック
  3. 必要項目を入力
    ・Nationarity(国籍) → Japan
    ・Tourist invitation, group 1, single entry / double entry1回入国か、2回入国か。通常はsingle entry。値段はsingleでRUB 899、doubleでRUB 999です。
    ・Invitation Delivery Method(配送方法) → Emailを選択(大使館が提出を求めているのは原本と書かれていますが印刷でOKです、モノクロ印刷でもOKです)。物理配送は高いので選択しえないです。メアドは絶対に間違えないように、間違えたら届きません、再確認を!
    ・Date of Arrival to / Exit from Russia → singleの場合は、普通に入国日、出国日を入力します。double entryの時は、Arrivalには1回目の入国日をExitには2回目の出国日を記載します。
    ・Cities to Visits → 宿泊する都市だけの記載で良いかと思います。日帰りで訪れる都市は不要
  4. ・Information about the first departure from Russia → double entryを選択した場合のみ表示されます。Country of Departureは、1回目の出国後どこに行くか。私たちの2017年7月のケースではPoland。Period of Departureは、中抜け期間として1回目の出国日2回目の入国日を記載します。私たちのケースではPolandに出国してAustriaから帰ってくるのですがAustriaを入力する項目はありません。それでも2回目の入国においても結果問題ありませんでした。
  5. 決済方法を入力してNextをクリック。3Dセキュア対応ですのでクレジットカードでもセキュリティ上問題ないです。
  6. それぞれの決済方法に応じてオーダーを完了まで進めます。
  7. 万一のためにオーダー番号は確実に控えましょう。

オーダーが完了するとすぐに受付メールが来ます。メールが来ない場合は迷惑メールフォルダに回されている可能性がありますので迷惑メールフォルダを確認しましょう。メアドが間違っていた場合はオーダー番号から検索できます、それも控えてない場合は諦めましょう。

その後、受付メールから12時間後くらいに、書類の準備が出来たというメールが改めて届きます。そのメールにあるリンクからダウンロードします。こんな感じです。

これ1枚でコンファメーションとバウチャーを兼ねているようです。ヒルトンが出してきたのとはフォーマットも全然違いシンプルですがこれでもちゃんと受理されました。

その他の書類の用意/申請

先の予約確認書(コンファメーション)、バウチャーの2つの書類が準備できれば、残りの書類の作成、申請自体は容易です。東京か大阪しか申請場所がないという地理的な課題が残るかもしれませんが、その場合は代理申請業者を活用するしかないですかね、郵送申請はなかった気がします。

その他の必要書類(パスポート、写真、Webでの申請書を印刷したものなど)と合わせてロシア大使館もしくは大阪の領事館に持参申請します。一定期間後にVISAが貼られたパスポートを受領できます。申請自体は2週間後の受領であれば無償です、それより早く受領したい場合は手数料がかかります。この申請、受領は平日のみで、時間も決められており融通もききませんので、サラリーマンにとってこれも1つのネックになるかもしれません。この辺は日本語で情報がありますので詳細はこちらをご覧下さい。

査証申請 – 在日ロシア連邦大使館

まとめ

ロシアのVISAは、個人旅行派にとって1つの難関になりますが多少の出費と手間で対応可能な範囲です。サウジアラビアのように手も足も出ないわけではないですのでなんとか乗り切りましょう!ちなみにVISAの出国日は、遅延などを考慮してか申請日の1日後で発行されますがそれは入出国で問題になりませんのでご安心ください。

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