貸切露天風呂を満喫した後はディナーです。
個室食事処
部屋数12室に対して、個室食事処が7室、他に大きな食事処、キッズレストラン、ゆりレストランと、食事関係の施設がかなり充実しています。今回私たちは、おまかせプランでしたが個室食事処での食事となりました。個室入り口にはこうしたスペースも、リノベ前は下駄箱だったんでしょうかね。
2階の部屋からエレベータで降りたところで移動も楽々、トータル30歩くらいの移動でした。部屋も道中も全て畳でクッション性が高く心地よいです。
個室の広さは6畳です。4人用の机で2人での利用ですので広々使えます。ディナー時にはダークブラウンのテーブルクロスがかけられ、部屋の色合いとあっておりおしゃれです。(机の上は食事後の写真でごちゃついており失礼)
旬彩コース 〜青香る編〜
旬彩コースは、この宿としては一番オーソドックスなコースになります。結果的にそれでも十分満足、よりアップグレードした特選秋桜コースというのもあり、そちらはメニューも盛り付けもより一層工夫されているようです。
季節として7月頭ということで「青香る」というサブタイトルがついていました。
先付
記憶が朧げですが椎茸ベースのグアニル酸の出汁に香ばしく炒られた玄米が入っている最初からほっこりする一品です。この日は、大雨で門司港スタートから公共交通が遅延、予定を変更しつつもなんとか目的は達成、別府からの由布院への移動も当初想定の路線が運休中で苦労しましたがこれでようやくリラックスできました。
一方でうまみタップリの出汁で刺激を受けた胃がスイッチONになり、これから始まる豪華な食事に向け準備万端です。
由布院 里の彩 夏の前菜
おー、いきなりすごいのがやってきました。確か椎茸原木に使ったくぬぎの木と青葉を舞台に、タイトル通り「青香る」感じです。とはいえ1発目から懐石としてはかなりワイルドな感じで驚きます。
まずは、食べられる部分を取り出して、、、こんな感じですね。左から、
- タコのうま煮にカラシ味噌
- ナスと鱧の南蛮漬け
- とうもろこし豆腐のジュレがけ
- アスパラとインゲン豆の白和え
夏の前菜ということで素材も夏です。どれが一番か、、、あーだこーだ議論しつつ味わいます。
全会一致で一番となったのは「タコのうま煮」です。柔らかく煮込まれており噛むと旨味甘味が溢れ出ます、いつまでも噛んでいたい感じです。次点以降は好みで分かれましたが、いずれも甲乙つけがたいところです。私(嫁)は、とうもろこし豆腐、門司港でも何度か出くわしましたがこの時期のとうもろこしは甘くて美味しいですね、こんなに夏野菜の美味しさを感じたのは初めてかもしれません、歳でしょうか・・・私(旦那)のオススメはインゲン、シャキシャキ感とみずみずしさが初夏を実感できます。ナス&鱧の南蛮漬けも十分おいしいですよ、他に比べて特徴が見えにくかったというだけです。
豊後の海から 鱧椀、お造り
続けて、海の素材の料理が続きます。先程、相対的に評価が低くなってしまった鱧がもう一度食べてみろと再登場です。鱧は骨切りされた後に熱湯に通され反り返り花のようです。食感もふわふわ、ちょこっと梅肉も添えられており爽やかな風味です。おいしいですね〜、夏を感じられます。
お造りはシンプルです、竹の絵と漢字が書かれた竹色のお皿の上に、イカといさき、ワサビのみの盛り付けです。
いさきは筋が固そうに見えますがそれほど気にならず、九州の甘めの醤油と合わせて美味しくいただけました。そしてこのイカが絶品、熟成したのかというくらい濃厚でねっとりと柔らかい食感と甘味で感動ものです。飾り包丁が深めに入れており、口当たりの良さにつながっているのと同時にアニサキス対策もバッチリです。
メニューには書いてないですが(お造りに含まれるのかな???)、小鉢で「りゅうきゅう」という大分の郷土料理も出されました。魚をゴマ、醤油ベースの甘塩っぱいタレで合えた一種の保存食ということです、私たちは初めて食べました。
使用している魚は日によって変わるようですが、この日は鰤、鯛、鰹ということでした。よく混ぜてから食べて下さいということで、、、保存食といいつつ、魚はプリプリで新鮮でした。何気にボリューミー、サイドにキープしてご飯まで持たそうと思いましたが、さすがにご飯までは持たず途中で無くなっちゃいました。
旬の温もり じゃが芋万十、穴子
じゃがいもまんじゅうは一度揚げられており表面はカリッと、中はもちもちです。芋自体強い味があるわけではないですが、甘い新玉ねぎ、餡と合わせて美味しくいただけます。柔らかい穴子としゃきしゃきした絹さやの歯応えのコントラストもなかなかいい組み合わせでした。一品一品の派手さはそれほどではないですが、ここは味は間違いありません。
山水香る 一石二鮎、軍鶏鍋
今までの食材は海、畑でしたがここで山に入ります。一石二鮎は、読み方が分かりませんが、2種類の食べ方ということでしょう。左上の部分は素揚げでカリッカリになっています。頭も背骨もせんべい的な感じで全て食べられます。淡白な川魚の素材そのものの味が楽しめます。そして右側は、皮部分に味噌が塗られ田楽になっています。皮はパリパリ、厚めの身はフワフワです。うーん、一石二鮎、楽しめますね〜。
添えられているパプリカはピクルスにされており口をリセットするのに最適です。そしてこの器は、大分の小鹿田焼(おんたやき)の器ですね。
続いては、この旅館の名物となっている軍鶏鍋(しゃもなべ)です。一度炙られた軍鶏肉とともに、つみれ、椎茸、しめじ、ネギなどが入っています。ごぼうも入っていたかな???
軍鶏は弾力がありジューシーで、下拵えとして炙られているので香ばしく絶品です。それぞれの素材も美味しいですが、それらの旨味が溶け出しているこのスープがまた絶品です。
右側にある大分名産の柚子胡椒をちょこっと足すとまた違った風味が楽しめます。少ないと思われるかもしれませんが、かなり強力ですのでこのくらいで十分かと思います。ここまで十分に食べているのでお腹もいっぱいになりつつありますが、スープは3杯くらい飲んでしまいました。
豊の恵 豊後牛ステーキ、自家米、香の物
鍋が肉料理かと思っていましたが、豊後牛(ぶんごぎゅう)のステーキが出てきました。形は多少歪(いびつ)ですが、こちらも味は間違いありません。熟成されているのか、火の入れ方が違うのか、超絶ジューシー、ちょっとの圧力で肉汁が溢れ出ます。付け合わせの玉ねぎ、ズッキーニ、ほうれん草などと合わせて、お腹いっぱいですが箸が止まりません。
うーん、北九州で失敗したグリル屋(お勧めしない所は記事にしていません)にプロというのはこういう料理を出すべきだというのを教えてあげたいくらいです・・・
ご飯は自家米ということです。品種はつや姫だったかな、、、品種によらずこだわって育てられている食材はどれも美味しいですね。我が家でも最近は有名どころに限らず色々な品種を試しています。香の物は、きゅうり、はりはり大根、野沢菜と、ゆかり(赤紫蘇、塩ベースのふりかけみたいなの)をまぶした山芋と一手間かかっています。
ご飯が何杯も行けちゃいそうですがここまで十分に食べていますし、明日の朝お釜で食べられるということでおかわりは自粛です。
季節の甘味 旬の果物、赤紫蘇氷
最後は桃のコンポートとスイカ、赤紫蘇の氷でさっぱりと。再び青い楓で「青香る」ディナーの締めくくりでです。
まとめ
秋桜はもともと食事が美味しいとの情報で、それが秋桜を選択した大きな理由でした。今回はスタンダードなプランである「旬彩コース」でしたがお味の方はどれも感激レベル、食事の美味しさは間違いありません。
一方で、見た目はだいぶシンプル or ワイルドで写真としてはあまり映えませんが、味に対する絶大な自信からあまり拘っていない可能性もあります。青香るさは、ところどころに青葉が装飾として使われており爽やか、素材としてもいんげんやとうもろこし、鱧など初夏が感じられました。また、コースの順番で、畑、海、山と区分けされており、そうした素材の出所の違いもイメージして食べ進めると楽しめるかと思います。
非常に満足いく内容、食事が美味しい秋桜を実感できました。
関連記事
宿トップ
コメント