春帆楼はもともと割烹旅館で、秀吉によりふぐ食が禁止され、近現代になり伊藤博文により再びふぐが解禁された許可第1号として有名です。下関といえばフグという連想で、せっかくなら一度ちゃんとしたフグを経験しておこうというのが今回ここを選択した理由です。そしてそれを後押ししたのがGotoトラベルの補助のおかげでふぐコースの料金で、実質無料で宿泊でき、朝食もいただけるということで今がチャンスと訪れてました。
ただ料亭がメインですので宿泊可能な部屋数は8部屋しかなく、Gotoトラベルに東京が加わった日に予約しましたが、最後の1部屋でギリギリセーフでした。
立地
JR下関駅からはちょっと離れていますが、国道9号線沿いで路線バスがかなりの頻度で通っているのでアクセスは悪くはありません。また、下関の観光スポットは、赤間神宮が隣接、唐津市場、カモンワーフも徒歩圏で、そこから門司港レトロの渡し船も出ており便利です。
部屋 : 千草
20畳の部屋で、8室の中では2番目に広いお部屋、窓からは関門海峡が望めなかなかいいお部屋でした。
食事
もともとは割烹旅館ということで、やはりここを訪れる目的は食事、食事付きプランとする方が多いかと思います。私たちもふぐフルコースディナー付きのプランとしていました。
夕食
これを目当てに下関を行き先に組み込み、ここ春帆楼に滞在したと言っても過言ではありません。一度ちゃんとしたふぐ料理を経験してみたかったということで、結果満足できました。
朝食
さすがに料理に重きを置いている春帆楼、朝食もなかなか立派でした。
ロビー・廊下
宿泊施設として8室しかありませんが、高級ふぐ料理店、また披露宴などの各種会場の機能を有しておりロビーはかなり広いです。シーティングスペースは20席くらいあるのではというくらいです。入り口を入ったところの緑色のカーペットも光沢がありゴージャスでした。
そして、政界との繋がりが深いことから、館内にはそうした方々が訪問時に書いたと思われる書などがいたるところに展示されています。例えば、安倍元総理の書、なるほど・・・
3階の踊り場には安倍元総理父の書、ふむふむ・・・
書以外としては、秋篠宮皇嗣や小泉元首相が訪れた時の写真なども飾られていました。また、将棋の竜王戦なども執り行われたようです。
日清講和記念館
特に伊藤博文との繋がりが深く、春帆楼という名前自体も伊藤博文により名付けられたとのことです。
そして、1895年(明治28年)4月17日の日清講和条約の調印会場となったのもここ春帆楼で執り行われたとのことです。 調印者は、日本側が伊藤博文、陸奥宗光、清国側が李鴻章、李経方で、その時の備品が記念館に展示されています。こちらは、本館とは別棟になっており、誰でも自由に出入りできます。
中にはその調印会場が再現されています。
この椅子に座って調印したようです。
宿泊施設としての春帆楼
サービスの内容は丁寧で上品ですが、全8室、宿泊施設というよりはフグ料理店がメインということで、宿泊に関しては一部制限となる部分があります。
例えば、客室は昼間は食事場所として使われますので、チェックインは遅めで16時以降、また、ディナータイムは宿泊者以外の会食など設定されることもあるため、18時以上の到着は要連絡となっています。チェックアウトも朝10時と若干早めといえます。また、小規模なので泊まり込みのスタッフが少ないためか、朝食の開始時間は8時以降と遅め、普段朝食が早い方は時間が合わないと感じられるかもしれません、ただ、食事の内容はかなりいいです。
お風呂に関しても、旅館ではないので温泉でもないですし、家族風呂が2箇所ありますが開放感のある大浴場という感じではありません。一般の和風旅館をイメージしていくと違和感を感じる可能性があるかと思います。
全8室の小規模な宿泊施設でありメインはふぐ料理店、宿泊施設としてというよりは料理を楽しむ形で訪れると満足度は高いかと思います。
まとめ
今回は、山陽方面の検討の中で、下関といえばフグ、フグといえば春帆楼ということで、さらにGotoトラベルを活用すると、食事代の金額で宿泊もできるということでここを選びました。8室しかない隠れ家宿ということで、東京が対象になった当日というかなり早めの手配だったにも関わらずぎりぎりラスト1部屋、なんとか抑えることができました。
目的であったメインの食事は大変満足がいくものでしたが、滞在した部屋もなかなか快適でした。
また、春帆楼自体、伊藤博文が贔屓にしていた割烹旅館だったこともあり、日清講和条約の調印会場となった際の備品などが記念館に展示され、館内には歴代総理の書や写真などが展示されており合わせて勉強になりました。
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